こんにちは。
志祐舎塾長の堀畑です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
1学期の期末テストの直前で、中学生のみなさんは追い込みをしてくれていることと思いますが(すでに終わった学校もあるかと思いますが)、今日は先を見据えた勉強方法についてお話をしたいと思います。
私は塾の仕事に携わって30年になります。それなりに多くの経験をしてきたと思いますので、そこから見えてきたことをお伝えしたいと思います。
まず、小学校での成績についてですが、「よくできる」、「できる」、「がんばろう」のような3段階の評価をされている学校がほとんどだと思いますが、小学校の成績はよくわからないというのが正直な印象です。
小学校のテストというのは、ほとんどが「単元テスト」だと思いますので、1つの単元が終わるとすぐにテストを受けるというものです。具体的に言うと、今週算数の分数のかけ算を習って、来週の初めに分数のかけ算の単元テストを受けるという感じです。
このようなテストの場合、習ってすぐのテストですので、忘れるということはあまりありません。そのため、高得点が取りやすいテストになると思います。
このようなテストの結果だけで、学力が高いとは判断ができませんので、お子さまはもとより保護者の方も誤解をされないようにお願いします。
テスト以外にも発表が多いなどの積極性が大きく評価されるようですので、学力の評価という捉え方とは少し違うよいう印象です。
学力という意味では、定期的に全国小学校学力テストのようなテストが実施されると思いますが、このようなテストでの結果を重視してもらえればと思います。
このようなテストになると、知識の定着度を見られる訳ですから、単元テストとはかなり性質の違うテストとなります。
記憶には大きく分けて短期記憶と長期記憶があります。単元テストは短期記憶で十分に対応できますが、全国小学校学力テストなどは、長期記憶を試されることになります。
このようなことで言うと、中学受験が多い地域と少ない地域でも大きな差が出てくると言えます。
滋賀県は中学受験が少ない地域ですので、学力テストの結果が下位になってしまっている一つの要因かもしれません。もっとも、中学受験が少ない地域でも学力テストの結果が上位になっている都道府県も多いので他の要因もありそうですが・・・。
中学校に進学すると単元テストに加え、定期テストが実施されるようになります。1~2か月毎にテストを受けなければなりませんので、それなりの準備をしないと好結果が得られません。
しかし、逆に言うと準備をしっかりやれば好結果を必ず出せるテストなのです。
いつも生徒達には伝えていますが、学校ワークは3回以上反復する必要があります。点数を上げるためにはできない問題をできるに変える必要がありますから、反復してできない問題を減らしていくわけです。それなのにワークがテストの前日にまだ終わっていないなんてことで、良い結果が出るはずありませんよね。ですから準備をしっかりやれば良くなるということです。
次に入試や実力テスト、模擬テストになるとどうでしょうか。
これらのテストになると、範囲が広く、簡単に準備をすることができません。定期テストのようにワークと同じ問題が出題されたりすることもほとんどなく、初見の問題を解かなければなりません。そのため、本当の実力が試されると言ってもよいと思います。
もうすぐ夏休みに入り、塾では夏期講習も実施するわけですが、ここでも先を見据えた対策が必要です。
もし、実力テストや模試の得点をすぐに上げたいのであれば、理科や社会を勉強すれば良いかもしれません。
それは国数英が積み上げの教科に対して、理科社会は積み上げの要素が少ないからです。
例えば、理科で電気の単元が苦手だとしましょう。この単元を良くするのに生物や化学の知識が必要とは言えません。(多少つながりがあるところもありますが)
むしろ、数学の計算力は必要ですが、電気の単元を頑張って勉強すれば、結果は出やすいです。
それに比べて、英語などは、今まで習った単語を覚え直し、文法の理解を深め、連語を使えるようにし、リスニング力を鍛え、英作、対話文読解、長文読解をできるようにしていかなければなりません。
これは少しの勉強時間でクリアできるほど甘くはありません。
すぐに結果を出したいのあれば、理科社会を伸ばすという意味で先ほど言いましたが、やはり積み上げが深い、国数英を優先しなければなりません。
しかし、ここで英数には意識が行っても国語には意識があまり行かない人が多いのも事実です。
「英語と数学は基礎から積み上げないといけないのはわかるけど、国語は普段使っている言葉だし、別に勉強しなくてもそれなりにできるし、どうやって勉強すれば良いかもわからないし・・・」
こんな声が聞こえてきそうですが、実は国語こそ優先して勉強をしなければならないのです。
今だけを考えるのか、それとももっと先のことを見据えて考えるのかという論点になるのですが、
子供たちが大人になってからの姿を想像してください。
社会に出た後、コミュニケーション能力、プレゼン能力、表現力、文章力、人の話を聞き取る力、人の心を読む洞察力、語彙力、漢字力、読解力、このような能力があれば、絶対に役立ちます。このような能力のベースになっているのがやはり国語力なのです。
そして、その国語力を土台に英語や数学、理科、社会を勉強すると驚くほど伸びていきます。
私たちは新しく入塾してくる生徒さんの国語の成績を注視します。
国語力の高いお子さんは、成績が伸びやすいからです。逆に国語が苦手なお子さんは、伸ばすことに苦戦するケースも少なくありません。
ですから、長い夏休みほど国語、数学、英語といった積み上げが深い教科の勉強を将来のために取り組んでもらいたいのです。もちろん、理科、社会を含めた5教科の勉強に取り組めるのが理想ですが、多くの時間も必要になります。
特に受験生は5教科の取り組みは大切ですが、生徒さんの状況にもよりますが、夏休みは国数英に集中しても良いかもしれません。
ただ、気を付けてほしいのが、積み上げが深い教科ほど、すぐに結果に表れません。特に国語と英語は結果が出るまでに時間がかかります。
人間は、すぐに結果を求めたくなります。だから多くの勉強をしたのにすぐに結果が出ないと不安になります。しかし、それを我慢して耐えてこそ、光が見えてくるのです。
すぐに結果がほしいのであれば、理科、社会を勉強しましょうと言ったのはそういう意味です。
目先の結果ではなく、先を見据えた考えを持てるのであれば、ぜひ国語、数学、英語を優先して取り組んでください。
国語力はできれば小学生にうちにつけておきたい学力です。
できるだけ早い時期に国語力をつけてもらえればと思います。
国語力を鍛えると以下のような効果が出てきます。
- 学校の授業での理解が深まり、復習しなければならない時間が減らせます。その効果で苦手克服に時間をかけられます。
- 問題の本質や意図を理解でき、正しい解答に繋がりやすくなります。
- 数学の文章題や証明、説明記述問題に強くなります。
- 理解できなかった問題が出ても、解答、解説を読むことで理解できるようになります。
- 作文や小論文に強くなり、推薦入試や特色選抜入試に有利になります。
- 国語の長文読解に強くなるのはもちろんですが、英語の長文読解にも好影響が出てきます。
- 論理的思考力がつき、これから必要とされる学力のベースが出来上がります。
- 国語力で人生が変わります!
このように受験や勉強に留まらず、人生にとってプラスになることばかりです。
志祐舎の夏期講習は、国語力を伸ばすことに力を入れています。
国語力が伸びると本当に全体が良く伸びます。
国語が得意なお子さんや伸びたお子さんは、高校に入学後も上位をキープできる確率が高いです。
将来に繋がる学力をつけたい、入試で上位合格を目指したいなら志祐舎の夏期講習を受講してみてください。すぐに結果は出ないかもしれませんが、数ヶ月後、数年後にはきっと良かったなと思ってもらえると確信しております。
最後に「伝説の国語教師」と言われた橋本武先生の名言をお送りします。
『スピードが大事なんじゃない。すぐ役に立つことは、すぐに役立たなくなります』
では、今日はこのへんで。